ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ―ルール、相手、土俵を変える 内田 和成 日本経済新聞出版社 2015-01-24 売り上げランキング : 768 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
■読書犬ブックの評価
タイトル:★★★☆☆
著者実績:★★★★☆
評価予想:★★★★☆
■アマゾンの内容紹介より
ライバルと同じ土俵では戦わない! スマホゲームの台頭で苦戦する任天堂、商品売上よりも会費で稼ぐコストコ、不動産業者に変身した住宅メーカーの大和ハウス工業――。競争のルールを破壊する戦い方と、その防衛策を明らかにします。
販売チャネルやコスト構造、得意とする技術や業態、ブランドイメージがまったく異なる相手と戦う局面(異業種競争)が、成熟する市場のなかで増えてきています。本書は、そうした戦いのなかで「競争のルールを破壊している企業(ゲーム・チェンジャー)」にフォーカスします。
ゲーム・チェンジャーの戦い方は、「秩序破壊型」「市場創造型」「ビジネス創造型」「プロセス改革型」の4つのタイプに類型化できます。秩序破壊型は、相手の儲けの仕組みを無力化してしまいます(スマホゲームやリブセンス、コストコなど)。市場創造型は、顧客が気づいていない価値を具体化します(JINS PCや東進ハイスクール、青山フラワーマーケットなど)。ビジネス創造型は、まったく新しい事業モデルをつくり出します(価格.com、オキュラスリフト、カーシェアリングなど)。プロセス改革型は、バリューチェーンを見直すことで、新たな価値をつくり出しています(アマゾン、セブンカフェ、ゾゾタウンなど)。
新たに持ち込まれた戦い方が競争のルールを破壊してしまえば、それまでの企業の勝ちパターンは簡単に失われてしまいます。しかし、新たな勝ちパターンをつくるという側に立てば、新規事業やイノベーションを起こすための視点を持つことができます。自社の事業領域をさらに広げたいと考えている人にとって、いま起きている戦いはチャンスです。
また、既存企業にとっては、自分たちにどんな競争相手が出現し、どんな競争を仕掛けてくるのかを理解したうえで、どう対抗するのかといった防衛戦略をとることが重要です。本書は、攻める側だけでなく、攻められる側(既存プレーヤー)の戦い方にも注目します。
■著者について
内田 和成(うちだ・かずなり)
早稲田大学ビジネススクール教授
東京大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て
1985年ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表を務める。さまざまな業界の大手企業を中心に戦略の策定・実行を支援するプロジェクトを数多く手がけ、2006年には「世界で最も有力なコンサルタントのトップ25人」(米コンサルティング・マガジン)に選出された。
2006年より現職。ビジネススクールで競争戦略やリーダーシップ論を教えるほか、エグゼクティブ・プログラムでの講義や企業のリーダーシップ・トレーニングも行う。また、三井倉庫社外取締役、キユーピー社外監査役なども務める。著書に『デコンストラクション経営革命』(日本能率協会マネジメントセンター)、『仮説思考』『論点思考』(いずれも東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版社)などがある。
■目次
第1章 新たなゲームのはじまり――激化する異業種競争
第2章 相手の儲けの仕組みを無力化する〔秩序破壊型〕
第3章 顧客が気づいていない価値を具体化する〔市場創造型〕
第4章 新たな事業モデルをつくり出す〔ビジネス創造型〕
第5章 バリューチェーンを見直す〔プロセス改革型〕
第6章 既存プレーヤーはどう対抗するか